インタビュー|パーソナルカラー&骨格診断のプロに聞く
2025/04/18
私が20代から30代の頃、洋服やネクタイの選び方は、自分自身のルックスに対して似合うかどうかを試着の段階で考える程度でした。着るもので相手に与える印象については、ほとんど気にしたことがありませんでした。どちらかというと、そのブランドの歴史的背景や作りの良さで選んでおり、それは今も変わっていません。
前田先生
少し歴史の話をさせていただくと、パーソナルカラー診断の起源は、1923年にアメリカのロバート・ドアによってブルーアンダートーン(ブルーベース)とイエローアンダートーン(イエローベース)を基本とした調和論(同じグループの色は調和するという理論)だと言われています。その調和論を元に作成したカラーキープログラムがパーソナルカラーの始まりです。日本でパーソナルカラーが知られるようになったのは、1980年代半ばと言われています。
その頃から、何度かパーソナルカラー診断が流行しましたが、2017年頃から再ブームが起こりました。今では「ブルべ」、「イエベ」という言葉をファッションに興味がある方だけでなく、一般的にも耳にするほどになったのではないでしょうか。
前田先生
骨格診断は、生まれ持った身体の「質感」、「ラインの特徴」を知り、自分自身の体型を最も綺麗に見せてくれるファッションアイテムを見つけ出すための診断技術です。簡単に言ってしまえば、「似合う服の形がわかる」ための診断になります。
男性の場合、「シャープストレートタイプ」、「ストレートタイプ」、「カーブドタイプ」に分かれ、それぞれに合ったファッションアイテムがあります。
骨格診断の元となる「ラインアナリシス」が日本に伝わったのが、1980年代でパーソナルカラーと同時にラインアナリシス(線の分析)も日本に渡ってきたそうです。当時は女性がメインだったので、男性向けの内容は少なかったようです。
1996年に「骨格診断」の名称で、ICBI代表の二神弓子氏が確立させ、日本でも広まったとされています。今では一般の方もインターネットなどの診断を利用して、ご自身の骨格タイプをご存知な方も多くなっているように感じています。
前田先生
診断をしてもらうことで、自分を知るきっかけにもなります。どんなものが似合うのか、その逆にどんなものが苦手なのかが分かると、ご自身でネクタイや洋服を選ぶときに悩むことが減りますよね。ただ、私としては、「これがいいかな!」「あれがいいかな!?」と悩む時間もファッションを楽しむ醍醐味だと思っています。ですが、中にはその悩む時間を減らして、他の事に時間を当てたいという方もいらっしゃいます。そんな方にはこのような診断結果があると、毎日の洋服選びがスムーズになるのではないかなと思っています。とはいえ、診断内容だけを鵜呑みにせず、いろいろなファッションにチャレンジして欲しいと思っています。似合う、似合わないだけでなく、「着てみたい!」という想いでファッションを楽しんでいただきたいです。そう考えるとネクタイのレンタルって非常に理にかなっているような気もします。まずは首元だけでも挑戦できますしね!
前田先生
ファッションを通じて、皆様の活動やチャレンジを後押ししたいと思っています。例えば、「高級なレストランやホテルに行くのに、相応しい洋服を持っていないから、行けない。」などとご自身に制限をかけている顧客様にお会いすることも多いです。服装だけでご自身の行動に制限をかけている方を解放し、新たな世界への一歩を歩んでほしいと思っています。服装が変われば、訪れる場所も変わり、交流する世界も広がります。毎日着る洋服を「これでいいか!」で選ぶのではなく、「これがいい!」と自信を持って選んでいただきたいです。私はそのサポートや行動を広げるための機会を今まで以上に作っていきたいと思っています。「たかが、ファッション」と言われる方もいるかもしれませんが、ファッションを変えるだけで、間違いなく思考も行動も変わっていくと思います。ファッションの奥深さや面白さを一人でも多くの方に知ってもらえた嬉しいと思っています。