フレンチシックの象徴、agnès b.その歴史と魅力に迫る

今、３周ぐらい回って注目しているブランドの一つ。フランスのエスプリを感じさせるシンプルかつエレガントなデザインで、多くのファッションラバーを魅了してきた「agnès b.（アニエスベー）」。ブランドの誕生は1975年、パリのジュール通りにオープンした一軒の小さなブティックが始まりでした。デザイナーのアニエス・トゥルブレが、自らの名前を冠して立ち上げたこのブランドは、気取らないパリジャン・スタイルを世界に発信し続けています。先日、東京の青山のフラッグシップショップに訪れたときに品の良さそうなおばあちゃんが颯爽とパンツを試着して購入されていった場面に遭遇し、フランスのおばあちゃんがデザインした洋服を日本のおばあちゃんが着ているのが凄く素敵だなと。

アニエスベーの最大の特徴は「タイムレスなデザイン」。流行に左右されず、シンプルで機能的、そしてどこか中性的な雰囲気を持つアイテムが多いのが魅力です。特に有名なのが、ブランドを象徴する「カーディガンプレッション」。スナップボタンが特徴のこのカーディガンは、1980年に登場して以来、幅広い世代に愛され続けています。

また、アニエスベーはアートや音楽、映画などのカルチャーとも深く関わっており、広告ビジュアルやショップデザイン、コラボレーション企画などにその姿勢が表れています。服という枠を超えて、ライフスタイル全体を提案するブランドといえるでしょう。男女比としては7割ぐらいのレディースアイテムですが、数は多くないですが、ネクタイもあります。

おススメアイテムとしては、先述のカーディガンプレッションに加え、ボーダーTシャツ（通称「マリニエール」）も外せません。パリジャンの定番ともいえるこのボーダーTは、シンプルながらも爽やかさと上品さを兼ね備え、どんなボトムスにも合わせやすい万能アイテムです。また、アニエスベーのロゴTシャツやシンプルなワンピース、レザーバッグなども人気。ユニセックス展開が多いので、男女問わず楽しめるのも大きな魅力です。

気になる価格帯ですが、洋服の高騰も止まらない中、Tシャツは1万円前後、カーディガンやシャツは2〜3万円程度、コートやレザーアイテムは5万円以上が目安です。決して安価ではないものの、その普遍性と品質、そして着るたびに感じられる「パリの空気」を考えれば、長く愛用できる投資として納得できるはずではないでしょうか。

「何年経っても色あせない服が欲しい」「シンプルだけど個性を感じたい」という方に、アニエスベーはまさにぴったりのブランドです。パリのアトリエから生まれるミニマルで詩的な世界観を日常に取り入れることが品の良さを表現できそうです。